当院では、スイスのEMS 社製の最新クリーニング機器エアフローを導入しています。専用の微細なパウダーをジェット噴射することで、歯面に付着したバイオフィルム(細菌の膜)や着色汚れを、効果的かつやさしく除去することができます。歯や歯茎への負担が少ないため、クリーニングが苦手な方や、歯茎が敏感な方にも安心して受けていただけます。
保険治療内で受けられるEMSによる最新クリーニング
歯科医院によってはEMSによるクリーニングは自費治療で高額となることもありますが、当院では多くの患者様に最適な治療を受けていただきたいという思いから、このEMSクリーニングを保険治療とし、一人でも多くの患者様のお口の健康を守ることに力を入れています。
EMSクリーニングは、従来のクリーニングとは異なり、歯や歯周組織に優しく、歯ブラシなどでは完全に取りきれないバイオフィルムや着色汚れを隅々まで効率的に落とすことができます。微粒子のパウダーと水、空気を同時に噴射することで、歯面や歯周ポケット、歯と歯の間などの細部にまでアプローチできます。とくに、インプラント周囲や矯正装置がついている部位、歯茎がデリケートな方にも適しており、従来のこすり取るクリーニングに不快感を覚えていた方にもストレスなく受けていただけます。
従来のクリーニング方法では、歯を傷つけるリスクやバイオフィルムの除去が十分にできないことがありました。しかし、EMSクリーニングなら歯を傷つけずに、バイオフィルムを効果的に除去できます。さらに、バイオフィルムを可視化してクリーニング時間を短縮し、細菌の数を減らす効果が高いのも大きな特徴です。
EMSクリーニングでは、従来のクリーニングや歯石除去で懸念されていた痛みや歯へのダメージを大幅に軽減できます。微粒子パウダーを使用することで、歯や被せ物、インプラントなどを傷つけずにバイオフィルムを効率的に除去することが可能です。また、染め出し液を使ってバイオフィルムを可視化してからクリーニングを行うため、器具が歯に不必要に接触するリスクも最小限に抑えられます。歯や歯茎に優しく、不快感や痛みを感じにくいのが特長で、従来の方法に抵抗を感じていた方や、歯周病・歯肉炎のある方に特におすすめです。
バイオフィルムは、排水口のネバネバした汚れに似たもので、口腔内の細菌が作り出す粘着性の膜です。この膜には無数の細菌が潜み、歯の表面にしっかりと付着して、むし歯や歯周病の原因となります。ブラッシングや薬剤では除去が難しいバイオフィルムですが、EMSクリーニングでは染め出し液を使ってバイオフィルムを可視化することで、必要な部分に的確にアプローチできます。その結果、効率的かつ効果的にバイオフィルムを除去することが可能です。さらに、微細なパウダーを使用するエアフロー技術を取り入れることで、従来のクリーニングでは届きにくかった細かな部分や、歯周ポケット内のバイオフィルムまでも徹底的に除去できます。
EMSクリーニングでは、染め出し液を使用してバイオフィルムを可視化することで、汚れがある部分を一目で確認できます。無駄なクリーニングを省き、必要な箇所に集中してアプローチすることが可能になります。結果として、効率的な清掃が実現し、クリーニング時間を短縮することができます。
従来の超音波を使用したクリーニングでは、深くなった歯周ポケット内の細菌を完全に除去するのが難しかったですが、EMSクリーニングでは歯周ポケット内の細菌を大幅に減らすことができます。クリーニング後、細菌は1 ヶ月ほどで再び増加することがありますが、定期的にEMSエアフローによるクリーニングを行うことで、歯周ポケット内の細菌数を徐々に減らしていくことが可能です。
出典:2018年6月1日発行デンタルマガジン165号 SUMMER(Clinical Report エアフローハンディ3.0Plusの活用)/モリタ※P.g.菌、T.f.菌、T.d.菌 は、最も歯周病との関連が深い菌種です
矯正治療中やインプラント、詰め物などの周りの汚れは取りにくいですが、EMSエアフローによるクリーニングなら、幅広いお口の状態に対応し、隅々までしっかり清掃できます。歯周病やむし歯を予防し、インプラント表面も傷つけずに効果的にケアできます。
EMS クリーニングはインプラントのメンテナンスに非常に効果的で、インプラント周囲炎の予防にも役立ちます。金属製の器具による清掃と異なり、インプラントに傷をつける心配がなく、侵襲性を抑えたエアフローとペリオフローを使用し、バイオフィルムを効果的に除去できます。
矯正装置を使用していると、日々の歯磨きでは届きにくい部分にバイオフィルムがたまりやすく、それが歯肉炎やむし歯の原因となります。EMS クリーニングでは歯や矯正装置を傷つけることなく、難しい場所までしっかりと清掃し、バイオフィルムを効果的に除去します。これにより、歯や歯茎のトラブルを防ぎ、矯正装置中のメンテナンスをサポートします。
被せ物や詰め物を長持ちさせるためには、定期的なバイオフィルムの除去が欠かせません。歯茎が下がると被せ物の見た目が気になることもありますが、EMSクリーニングでは被せ物の辺縁から優しく隅々まで掃除できるため、歯周病を効果的に予防し、歯茎の後退も防げます。また、歯の着色や汚れを防ぎ、詰め物の美しさも保ちます。
EMSクリーニングを使用することで、歯と歯茎の隅々までバイオフィルムを徹底的に除去でき、むし歯や歯周病の予防に繋がります。また、口内がきれいになることで、むし歯の早期発見にも役立ちます。
洗口剤で口腔内を清潔にした後、現在の状態を詳しく検査・評価します。歯や歯茎の健康状態を確認し、インプラントを埋入されている方については、その周囲の組織も慎重に調べて評価します。
染め出し液を使用してバイオフィルムを可視化します。
患者様のお口の状態を説明し、予防の重要性をお伝えします。その上で、個々に合わせた清掃器具やブラッシング方法を提案し、適切なセルフケアとメンテナンス方法をご指導いたします。
エアフローを使用して、歯や歯周ポケット内のバイオフィルム、着色や早期歯石などを優しく除去します。天然歯、修復物、インプラントにも対応し、歯肉縁上や4mmまでの歯周ポケットに付着した汚れを効率的に取り除きます。
エアフローでは除去できない深い歯周ポケットには、ペリオフローを使用して4〜9mmまでのポケット内のバイオフィルムを効率的に取り除きます。目盛り付きのペリオフローノズルでポケットの深さを確認しつつ、天然歯やインプラントを傷つけないように保護しながら、バイオフィルムを除去します。
エアフローやペリオフローでは除去できない深い歯周ポケット内の歯石は、スマートピエゾンとPSチップを使用して効果的に除去します。これにより、歯肉縁上および縁下10mmまでの歯石を低侵襲で取り除きます。さらに、10mm以上のポケットにはミニキュレットを使用し、縁下3mmまでのインプラント補綴周囲や修復物にはピエゾンチップPIを使用して歯石を除去します。
バイオフィルムや歯石の取り残しがないか最終確認し、お口の中がきれいになった状態で再度、むし歯の有無を歯科医師が確認します。その後、問題がなければ歯面にフッ素を塗布して保護します。
EMSクリーニングは定期的に行うことで最大限の効果を発揮し、健康な歯を維持できます。患者様の口腔内リスクに基づいて、適切なメンテナンス周期を決定し、次回の予約をご案内します。定期的なバイオフィルム除去で、口腔の健康を守り、生活の質を向上させましょう。